本記事では、OlympusのOM-Dシリーズのキットレンズとして登場した、
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm f3.5-6.3 EZ
を紹介します。
イメージとしては「安価な便利ズーム」かもしれませんが、
シーンによっては十分すぎる性能です(もちろん評価は人に寄りますが)
特に、広角(12mmスタート)や簡易マクロ、電動ズームあたりは他のレンズとの差別化が図られており、
それら含めて、私は「旅レンズ」としてオススメします。
その万能さから、例えば、
一本だけしか持っていけない状況であれば、必ず選択肢に入ってくるレンズ
だと思います。
以下、実際にこのM.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3(+初代E-M5)で
ロンドンを旅行したときの写真を見せながら、
レンズの良し悪しを解説していこうと思います。
[ 本記事の目次 ]
- OlympusのOM-Dシリーズのキットレンズとして登場
- 画角(12~50mm)が便利すぎる
- 望遠端(~50mm)も十分使える
- 簡易マクロが面白い
- 解像感・色のりは普通、でも十分?
- 動画撮影時に電動ズームが活躍
- ファンクションボタンがレンズに付いている
- 防塵防滴、どこにでも連れ出せる
- 軽量・コンパクト、ただちょっと長い?
- 安い!コスパ最強
- 結論:旅カメラ、アウトドアカメラとして最高
OlympusのOM-Dシリーズのキットレンズとして登場
このレンズは2012年、オリンパスのOM-Dシリーズとほぼ同時期に発売が開始され、OM-Dシリーズの初号機・E-M5のキットレンズとしても販売されました。
(表題には「キットレンズとして」と書きましたが、もちろんレンズ単体としても販売されています)
レンズの明るさはそれほどではありませんが(f3.5-6.3)、
その画角(35mm換算で24~100mm)や、
防塵防滴仕様、
簡易マクロ、
電動ズーム、
ファンクションボタンなど、
キットレンズでは考えられないスペックで周囲を驚かせました。
それではこれらの点を一つ一つ、さらに写り(解像感、色のり、など)を
実際の写真を見ながら書いていきたいと思います。
画角(12~50mm)が便利すぎる
35mm換算で24~100mmまでカバーする画角は、間違いなく、このM.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3のアドバンテージです。
多くのキットレンズは35mm換算で28~75mm程度。
(フルサイズのキットレンズは24mmスタートが多いですが ← キットなのに高価なので)
まず、広角。
広角は数mmの差が写真にするととても大きいです。
つまり24mmと28mmは雲泥の差。
さらに望遠。
35mm換算で100mmまであると、例えば景色の中の注目個所を切り出すことができます。
広角、望遠それぞれ、写真を見てみましょう。
広角12mm(35mm換算で24mm)スタートは何でも枠に入れられる
縦長の写真で申し訳ありません、これは広角端12mm(35mm換算で24mm)で撮影したウエストミンスター寺院です。
このように高い建物を撮影するとき、見切れてしまったことありませんか?
普通の、28mmスタートのレンズだと、この距離から建物を全て入れることはできません。しかし、このレンズなら可能!
横に撮れば、建物+周囲を広く撮影することができます。
上の写真でも、ビッグベンだけでなく、周りの様子も写真に含めることができていますよね。
景色を広く撮るのに、広角24mmまであると、非常に便利です。
望遠端(~50mm)も十分使える
このM.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3は、その名前の通り、
望遠端は50mm(35mm換算で100mm)まで伸ばせます。
例えば以下のように寄ることができます。
(広角撮影 → 望遠撮影の順に写真をお見せします)
まずは広角撮影
次に望遠端(実際は35mm換算で90mmくらいまで望遠した写真です)
全然印象が違うでしょ!?
広角撮影は「大きな川に架かるロンドン橋」、つまり川が主役ですが、
望遠撮影は、主役が「ロンドン橋」になります。
また、景色の中のほんの一部を切り取る際にも、望遠撮影は役立ちます。
例えば、
これは観覧車「ロンドンアイ」ですが、望遠をつかうことで観覧者の一部だけ切り取ることができます(当たり前の話をしてすみません)
シーンの中に一部、おもしろいもの、注目したい場合は、当然望遠でそこを切り取ることができるので、望遠があることで、より印象的な写真が撮れるばずです。
簡易マクロが面白い
上の便利なズーム画角に加えて、このM.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3には、
「簡易マクロ」という機能が付いています。
これが結構面白いです。
その名の通り、簡単にマクロ撮影することができます。
使い方としては、レンズについている「MACRO」モードに設定すれば、すぐにこの簡易マクロで撮影することができます。
下の写真のように、レンズに小さな窓があって、そこでモードを確認できます。
マクロとはいえ、この機能を使ったからと言って、
レンズのスペックが上がるわけではありません。
ですので、これを使ったからと言ってボケが大きくなるわけではありませんが、
マクロ撮影することで、かなり奥行き感は出ると思います。
例えば下の、キーボードを簡易マクロで撮影した写真をご覧ください。
この写真はファンクションボタン(Fn)に焦点を合わせて撮影しました。
キーボードの狭いピッチでも、ファンクションボタンの後ろにあるボタンはしっかりぼかせてます。
本当に、一本で何でもできる優れもののレンズです。
解像感・色のりは普通、でも十分?
次に、M.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3の解像感や色のりについてコメントすると、
まずは解像感。
これは・・・普通です、ただ感動するほどの解像感は得られませんが、絞って使えば十分解像するというのが私の印象です。
最近は高画素のスマホが登場していますが、
実際、私のスマホの画素数は、この撮影で使った初代E-M5とあまり違いがありませんが、スマホの写真は細かい境界が潰れて、なんだか眠たい写真になります。
それに比べると、M.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3+一眼は十分解像すると思います。
次に色のり。
この写真はロンドンのセントジェームズパークで撮影したものです。
これも、例えばスマホの写真と比べると、
木の葉の部分はしっかり解像しているし、
葉の緑や空の青の発色(色のり)が奇麗です。
(定性的な評価で申し訳ありませんが・・)
ただし、一眼のレンズとしては、解像感も色のりも、
悪くないけど「普通レベル」かもしれません。
例えば、以下の記事で、
同じカメラ(初代E-M5)に単焦点レンズ(Leica 15mm f1.7)を
付けて撮影した写真を載せたのですが、
それはそれは素晴らしい解像感と色のり。
単焦点レンズと比較するのは酷ですが、参考までにご覧ください。
※当然、単焦点レンズは、上で説明したようなズームの恩恵を受けられないので、
そこはトレードオフの関係です。
動画撮影時に電動ズームが活躍
既に機能てんこ盛りのレンズですが、ここでもう一つ追加します。
「電動ズーム」です。
これは、一定のスピードでパン&ズームができる機能です。
簡易マクロモード同様、レンズについている小さな窓から電動ズームモード(E-ZOOM)を選べます。
ちなみに通常のマニュアルズームはこの窓で「M-ZOOM」に設定すれば利用できます。
便利!!
通常のズームレンズはレンズの筒を回した分パン&ズームができます。
これは速く回せば早くパン&ズームでき、遅く回せばそのように動きます。
つまり、全て「手」の動き次第。
この通常のズームレンズにおける問題点として、
例えば、テレビでゆっくり寄っていくような動画を撮影したい場合、
ゆっくり一定のスピードで手を動かすことが難しいことが挙げられます。
これを解決するのが電動ズームです。
このM.ZUIKO 12-50mmを電動ズームモードに設定し、筒を少し回した状態で止めておくと、一定のスピードでパン&ズームすることができます。
これが動画撮影にかなり使えます。
通常レンズのカクカクではなく、一定のスピードでスムーズにパン&ズームすることができます。
動画編集してYouTubeにアップしている人などには便利な機能です。
ファンクションボタンがレンズに付いている
まだあります、このM.ZUIKO 12-50mm、機能ありすぎ。
レンズにファンクションボタンが付いていて、そこに自分の頻繁に使う機能をメニュー画面の設定から割り当てることができます。
近年、多機能化しているデジタル一眼レフ、嬉しい悲鳴ですが、メニューを開くと機能がありすぎて見つけるのが大変ですよね。
そこで、このファンクションボタンに好きな機能を割り当てておけば、ショートカットで、一発でその機能が使えます。
防塵防滴、どこにでも連れ出せる
防塵防滴はアウトドアに便利、と言うよりシーンによってはマストです。
私は登山や海でピクニックすることが多いので、そんなとき、このレンズは活躍します。
下で説明しているのですが、安いレンズなので、気軽に持ち出せる防塵防滴レンズは唯一無二の存在かもしれません。
(一般的に、防塵防滴仕様のほうが値段が高くなります)
軽量・コンパクト、ただちょっと長い?
上の組み合わせは「M.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3 + 初代E-M5」です。
ご覧の通り、コンパクトです、持ち運びやすい!
重さは、見た目より少しズシっときます、というのも、
このレンズとカメラは両方とも防塵防滴なので、造りがしっかりしている分、やや重みを感じます。
見た目ですが、個人的には「レンズが若干長細い」かなと思います。
まぁ、短いとズームやりずらいし、太いとコンパクトと言えなくなるので、
全然許容範囲ですが、多少ね。
まぁまぁ、気軽に持ち運べるサイズであることは間違いないので、日常のスナップにも活躍します。
安い!コスパ最強
本記事では、このM.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3のたくさんのメリットを紹介してきましたが、
もう一つ、ダメ押しのメリットは価格が安いこと!
価格は、中古だと1万5000円以下です。
もはやレンズの値段じゃありません。
ちなみに、本記事の写真を撮影した初代E-M5は2012年に発売したモデルです。
こちらも値段がかなり落ち着いていて、中古だと1万5000円程度で購入することができます。
つまり、M.ZUIKO 12-50 f3.5-6.3と組み合わせても、3万円弱でレンズ+カメラを揃えることができます。
コスパを考えて、本当にオススメの組み合わせです。
(この組み合わせ、防塵防滴のレンズとカメラなので、アウトドアカメラとしてオススメ!!)
本記事の写真を見て、興味を持ってくれた方がいたら嬉しいです。
結論:旅カメラ、アウトドアカメラとして最高
上記のように、便利なズーム域、
単焦点や高級ズームレンズにはもちろんかなわないけどまずまずな解像感と色のり、
さらに簡易マクロ、電動ズームなど機能てんこ盛りのレンズ・M.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3、
高コスパの便利ズームを探している方には「買い」だと思います。
色はシルバーもあります(私はシルバーを持っています)。
値段も中古で1万5000円程度なのでお買い得!
私個人としては、旅行やアウトドアが好きな方には特におすすめできると思っています。
実際に私はこのレンズ(+E-M5)で色々な所へ行きました。
例えば以下のような場所(以下の記事の写真はこのレンズとE-M5で撮影しました)
また、そのコンパクトさを活かして、旅行の友として活躍しています。
例えば、以下の記事では、M.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3(+初代E-M5)で撮影したチェコの世界遺産、チェスキークルムロフの街並みの写真を紹介しています。
子連れ旅行であるため、コンパクトさはかなり重要。
本記事のレンズはコンパクトでありながら便利なズーム域、簡易マクロなどの機能、防塵防滴など、タフな使い方を要する子連れ旅行にもってこいのレンズです。
M.ZUIKO 12-50mm f3.5-6.3、いろいろなシーンで使えるし、機能も盛りだくさんなので、万能レンズです。
レンズ一本だけしか持っていけない状況であれば、必ず選択肢に入ってきます。
持っておいて損がないレンズだと思います。